「ライト館」の面影を唯一いまに伝えるクラシカルなメインバー

建築史上不滅の名声を残したフランク・ロイド・ライトの設計による帝国ホテル旧本館は、多くの人々から親しまれ愛されただけでなく、世界の建築芸術史上に傑作として名を残しました。そこには、国際的な視野で再発見された日本文化とともに大胆なまでの創造性が息づいていたと、いえましょう。「オールドインペリアルバー」は、この「ライト館」の面影を現在に伝える東京では唯一の場となっています。たとえば店内左奥の大谷石や、壁のテラコッタは、当時のまま。壮麗にして優美と語られた良き20年代の全貌を偲ばせます。（帝国ホテル、ウエブサイトより引用）

帝国ホテルのメインバー、オールドインペリアルバーに行きました。建て替え計画があり（新館の設計は田根剛）今のうちに行っておかないと…という思いから。解体が間もなく始まるため、今年の６月末で営業終了かと思ったのですが、よく調べたら工事は段階的に行われるようで、このバーに関してはもう少し先、2030年度までの営業のようです。

私ははじめて訪れましたが、想像以上にフランク・ロイド・ライトの色が濃密でした。愛知県犬山市郊外の「明治村」に移築されたライト館の中央玄関を見学するよりも、このバーで一杯のカクテルを注文した方が、当時の雰囲気（ライト館の営業は 1923～1967）を体感できるかもしれません。

上の写真はここのオリジナルのショートカクテル「フランク・ロイド・ライト・スペシャル　オリエンタルジェル」、ライト館の90周年を記念して創作された、とのことです。浮かべられたのは金粉、そしてレモンとオレンジのピールが、ライトが度々使用した６角形や円形のデザインを模しています。

フランク・ロイド・ライトの大人の空間を体感したい方は、是非！