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お施主様インタビュー | 美しが丘・T様

住宅コンペで得られた、住宅展示場には無かった満足感

建築家:宮﨑 俊行/宮﨑建築設計事務所

住宅展示場の見学をきっかけに、ハウスメーカーと契約し家づくりがスタートしたT様でしたが、ハウスメーカーとの打ち合わせが難航してしまっていました。そんな中見つけた田園都市建築家の会(以下「田都会(でんとかい)」)で建築家が一般住宅のコンペをするというサービスを知り衝撃を受けたそうです。
『田都会のサービスがもっと世間に知れ渡ってほしいから』と取材を快諾してくださったT様に、設計を担当した宮﨑建築設計事務所の宮﨑俊行氏、田都会ディレクターの当山純雄とともににお話をうかがいました。

左からT様ご夫婦、建築家宮﨑俊行、田都会ディレクター当山

家づくりのきっかけ

――T様の家づくりのきっかけを教えてください。

T様(お施主様) もともと賃貸で借りていた一戸建てのオーナーから「この家を買いませんか?」とご提案がありまして。この景色をとても気に入っていたので購入しました。当時はまだ築19年でしたが、私たちの年齢的なことなどを考慮し、建て替えを決意しました。ところが、いざ家を建てるとなると何からすればいいのかわからず、近所の住宅展示場へ見学に行きました。

誰もが一度は通る住宅展示場。しかし…

――家づくりはどのように進めましたか?

T様 住宅展示場に何度か足を運んだのち、ひとつのハウスメーカーと契約をしました。ところが、契約後、納得のいくやりとりがなかなかできませんでした…。ひとつは、住宅展示場はフルオプションだという落とし穴です。私たちは「住宅展示場にあったあのキッチンのようにしたい」「床は住宅展示場のあそこの様にしたい」と挙げていくのですが、どれもこれも「オプションですね…」の連発。契約の金額でできるのは、住むことができる最低限の仕様でしかなかったんですね。
もうひとつは、図面を引いてくださる担当者が一度も現地に来ないということです。驚きでした。営業の方が現場の写真を撮って会社に持ち帰るというやり方のようでした。現地に立ってわかる空気感というものを理解してもらえず、案の定、何度も図面を引き直してもらう事態に。
結局私たちがハウスメーカーの会社に出向いて担当の設計士の方に直接話を聞いてもらいましたが、結局カタチにすることは難しいという結論でした。

大きく開いた窓から借景を望む

田都会との出会い

――その後、どうされたのですか?

T様 困り果てたとき、いつも帰り道で見かけていた田都会(田園都市建築家の会)の無料相談会に参加しました。はじめてお邪魔した時に、まさに宮﨑さんがいらっしゃいましたよね。

宮﨑(田都会所属の建築家) はい。田都会に所属する建築家が持ち回りで毎週日曜日に無料相談を開催していて、その日はちょうど私の担当でした。
T様 自宅の場所をお伝えすると、宮﨑さんがGoogleのストリートビューを見ながら、「ここですね、地形はこうなっていて、裏手はこんな風に開けているんですね」といった具合にあっという間に場所の確認をしてくれました。土地の特性をきちんと見ていただけたことに、『そうそう、こういうことだよね』と感激しました。
裏手の景色を眺めるために窓を大きくしたい、小さくてもテラスをつくりたいというのが私たちの希望だったのですが、ハウスメーカーには何度お伝えしても「出来ない」の一点張りで。ところが、宮﨑さんはすぐに理解してくださって、余計に感激したわけです。

冬場は採光し、夏場は屋外ブラインドで遮光できるようになっています

心を動かされた建築家三名によるコンペ形式での提案

――田都会での家づくりはどうでしたか?

T様 結局、私たちの家は田都会に任せようという結論になり、契約中だったハウスメーカーはキャンセル料を支払って解約しました。高い授業料になりましたが、後悔はまったくありません。田都会には建築家が14名いて、どなたにするか決めかねていたところ、コンペ形式の提案を受けました。建築家に設計を依頼するなんて敷居が高いなと感じていたところに、私たちのためにコンペをしていただけるのか?!と。建築家のコンペといったら、商業施設、ビルなどの大きな建造物をイメージしますが、私たちが住むような一般住宅のコンペも開催してくれるなんて、ちょっとした優越感すら感じてしまいますよね。

吹き抜けと大窓が作る明るいリビングと、二階への階段

――コンペはどのように進行するのでしょうか?

当山(田都会ディレクター) まず、お施主様には、住まいに対する考え方から洋服や靴、食器の容量まで、様々な項目がある「ヒアリングシート」をご記入いただきます。その後、3名の建築家が一堂に現場を見学し、ヒヤリングシートをもとに直接お施主様から要望を伺います。その後、プレゼン作成期間に3週間位お時間を頂いた後、同日で一人づつプレゼンを致します。

T様 建築家にお願いすると、こちらの要望をこんな風に創意工夫を凝らしてカタチにしてくださるんだと感動しました。同じ条件にも関わらず、それぞれ全く違うポイントを持つプランで、三者三様。自分たちの発想にはなかったものもふんだんにアイデアが盛り込まれていて本当にどれも魅力的で悩みましたが、私たちの要望を一番ストレートにカタチにしてくれた宮﨑さんにお願いすることにしました。さらに、コンペ当日にはオブザーバーということで別の建築家も参加してくださったんですよね。

当山 会所属の別の建築家がオブザーバーとして同席するようにしています。これは田都会コンペの特徴でもありますね。プロでありながらフラットな目線で、お施主様が提案者には直接聞きづらいことなどがあれば専門的に解説もします。

T様 私たちに対して、5名もの建築家が携わってくださるなんて!とても贅沢なことです。コンペを経験してあらためて思いますが、費用が安すぎるように感じますね。

当山 そうですね、本来なら建築家にとってこの金額でのコンペは破格の安さなのですが、より良い家づくりのためにこうして「建築家の会」を結成しているので、最終的には三方良しの結果となるようみんなで努めています。

建築家のプレゼンテーションは三者三様

建築家、施工会社、ディレクターの3つの「目」が家づくりの全体を支える

――着工後の進行はいかがでしたか?

宮﨑 私たち建築家が毎週、現場で設計監理を行います。完成してしまうと見えなくなってしまう部分は特に構造も含めて、設計図通りに建物が造られているかを一つ一つ丁寧に確認しています。建築家による設計が入るということは、工事中に設計監理というもうひとつの“目”ができるということになります。これは、ハウスメーカーや工務店だけで行う監理よりも厳しいチェック体制になります。

T様 建て替えにともなう仮住まいもサポートしていただきました。建て替え中の仮住まいの賃料も発生していく関係で、工期はできるだけ早く進めたいということを当山さんにご相談しました。当山さんには大変助けられました。資金計画、仮住まい、取り壊し、着工と、とてもスムーズでストレスがありませんでしたね。ご紹介いただいた施工会社も非常によかったです。家づくりの機会がある方がいらっしゃったら、田都会のコンペを体験してもらいたいですね!家づくりを心から楽しむことができましたし、この家ではじまった暮らしが、とても豊かなものになりました。
ただ、田都会はビルの2階にあって、ちょっと入りにくいんですよね。田都会の良さを知った今、できるだけ多くの方に田都会を知ってもらいたいので、みなさんにもっと気軽に訪れてほしいですね!

田都会の運営する「家づくりカフェ」。たまプラーザ駅徒歩5分の水色の看板が目印です