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コンクリート打放し仕上げ
2020.12.3
伊原 洋光

hm+architects 伊原です。

現在、現場進行中の新築住宅のプロジェクトは、1階を鉄筋コンクリート、2階を木造とする混構造の建築です。
そのうち1階の鉄筋コンクリート部分は、そのまま仕上げ面になる「コンクリート打放し仕上げ」となる箇所が比較的多くあります。

現場ではそのコンクリートの打設を終え、一定の養生期間を経ていよいよ型枠を外すタイミングとなりました。先日ちょうどその作業の日に現場確認することができました。

床スラブや梁下のサポート(支保工)は、コンクリートを打設してから4週強度の後に外すのでしばらく先になりますが、壁の型枠についてはそれよりも先行して外すことができます(壁型枠の最小存置期間は平均気温5℃以上なので5日または圧縮強度5N/㎟以上)。

型枠の取外しを「脱型」(だっけい)といいますが、壁の脱型時は、期待しつつもうまく打設できていたかどうか、工事の関係者はドキドキする場面です。
現場を訪れたこの日に確認できた範囲では、まずは大きな問題箇所は無さそうでした。

打設時:Myタタキ棒(密実なコンクリートとなるよう、型枠を叩く専用木槌です)

ちなみに弊社の現場・設計監理では、重要なコンクリート打設時には立会うことにしています。当日は、早朝から現場での打設手順などを再確認・チェックし、全体のコンクリートの流れに気を配りながら、同時に「タタキ棒」持参で職人さん(土工さん)と一緒にタタキを頑張る作業員になったりもします。今回もみなさんと頑張った甲斐あって、きれいなコンクリート面になりホッとしています。

この時期(脱型直後)のコンクリートには水分が多く残っているため、見た目もやや黒光りする石のようなテクスチャーです。少し周囲の景色が映り込んだりもします。徐々に乾燥し、やがて白っぽいコンクリート色になりますので、この時期にしか見られない何とも言えないコンクリートの迫力を味わえるタイミングとも言えます。

型枠は、打放し用の塗装型枠 900×1800mmのサブロク板(3尺×6尺サイズからそう呼ばれる)を縦長に配置しています。デザイン上の理由から横長に配置する設計者もいますが、これは好みにもよります。弊社では、土木工事などでも多く用いられ、大工さんも仕事がしやすいスタンダードな縦使いを採用。普通っぽいとも言えますが、トレンドに左右されない、安定した大人っぽさともいえそうな。硬派な印象でもある気がしますので基本はそうしています。

また脱型のあとに見える丸穴は、コンクリート圧力を受けても型枠が開いてしまわないよう固定するセパレーター金具の端部のパーツです。円錐台の形でプラスチック製のコーンは、通称「Pコン」と呼ばれるものです。セパレーター端部の穴でもあるので「セパ穴」という人もいます。壁面の意匠上の検討から、弊社では原則450mmピッチとなるようPコン位置の割付指定を図面で行なっています。

次は上部、木造部分の工事に移行していきます。
一歩一歩、現場の皆さんとその時々のベストを尽くして頑張っています。

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