hm+architects 伊原です。
設計の現場監理について、どんなところを気にしているか・・
今回は、施工が仕上げまで進むと最終的には見えなくなってしまう「壁の下地」について、進行中の「吉祥寺の住宅」の現場状況をいくつかの写真で紹介させていただきます。
現場では上棟後に、構造体が露出しているタイミングで、申請をしていました耐震等級の性能証明の立会い検査を受けています。確認検査機関の検査員の方、構造設計事務所のご担当者と一緒に現場確認(検査は無事に合格)しました。
まず、後の工程で見えなくなる耐震壁の構造用合板の釘のピッチや、土台や柱・梁に取付く各種金物をチェックします。
上の写真で合板の色が濡れ色になっている部分は、1階の防蟻処理です。建物は地下のRC造の上部に地上1,2階の木造があり、この部分は地盤面よりかなり高い位置となりますので防蟻は必須ではありませんが、念のため対処しています。
その後の主な工程として、木造部分の断熱施工があります。
設計上、断熱についてはコストや性能などから何が望ましいかは様々な考え方がありますが、今回は構造耐力壁の筋交いやアルミサッシ枠まわりもきちんと充填できる内断熱の高性能 硬質ウレタンフォーム吹付(フォームライトSL-50α)を採用し、丁寧に進めていただきました。
さらに、室内側の気密シート、プラスターボードの施工があります。
写真はビスのピッチまで整えた大変丁寧な仕事状況です。大工の棟梁Tさんの気遣いに頭が下がります。
最終的にはクロス下地+塗装仕上げですが、その準備として、壁・天井のボードのジョイント部に補強布(ファイバーテープ)、ビス頭部にもパテ処理を行う地道な作業が続きます。クラックが少しでも発生しないよう、かつきれいな仕上げ面となるよう、猛暑の中でも下地をきっちりと整えていただいています。
また木造・住宅用アルミサッシの窓まわりについては、設計者により納め方もいろいろなケースがあります。
今回は四方枠の額縁をまわすのではなく、下の面(膳板)のみ木製で塗装仕上げ、それ以外の三方は下地クロスの巻込み+塗装としました。
今回、膳板の端部については、窓幅ぴったりに止め、チリ(壁面との差)7mmに仕上がるよう現場監督Sさんと打合せを行いました。
窓枠の三方については、プラスターボードの厚さ分控えたところまでをランバー材の下地とし、窓・壁まわりの精度を確保しています(写真:プラスターボードの施工前と後)。
ちなみに防火地域指定など(壁の防火構造等)法令制限があれば、下地の仕様も異なります。
設計図面を基本とする設計監理ですが、現場ごとにつくり手の方と意見交換しながら、コスト条件やクライアントご要望なども考慮しおさまりを微調整することも重要だと思います。
建築を見る時には、大胆な空間構成に目が向きがちですが、仕上がってしまうと印象に残らないような一般部分の壁・天井・窓枠まわりにもできるだけ気を配ってしっかりとした建築にしたいものです。
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