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5年ぶりの北欧旅行記:その3(ストックホルム)
2023.11.10
長崎 辰哉

アトリエハレトケ長崎です。

(前回の続きです)人生初のコペンハーゲン訪問の後、これまた人生初のストックホルムに飛びました。

ストックホルムでは、まずはセント・マークス教会を訪問。

森の火葬場をアスプルンドと共に手掛けていたレヴェレンツが、道半ばにしてプロジェクトから外され、その傷心からのリベンジを図った75歳の時の仕事だそうです。

ロマン主義的なローカルモダニズムと言えそうな建築様式。

公園との関係性や自然光の取り込みかたなどが、トゥルクにあるブリュグマン設計の復活礼拝堂にも似ている気がしました。

セント・マークス教会の次は、世界遺産、森の礼拝堂(Skogskyrkogården)へ。

設計は当初、レヴェレンツとアスプルンドが協働し、最後はアスプルンドが単独で完成させることになったそうです。

道半ばで外されたレヴェレンツは失意に沈み、アスプルンドは名声を確固たるものに。

1940年にアスプルンドが死没するまでの25年をかけて設計と施工を繰り返して生み出された墓所。

そしてアスプルンド亡きあとは、再びレヴェレンツが自身の生涯をかけてランドスケープの設計を引き継いだと言う熱い話も。

本当に絵のような風景。

北欧の空ならではの光の色。

そしてストックホルム市立図書館へ。

みごとな自然とのコントラスト。

青空に対する補色としてのオレンジ色か。

隣接する公園との相性は良いけれど、街並みの中では唐突すぎる気も。

そして外装がチープで表層的なのは意外。このあたりは北欧モダニズムの模索の痕跡?

1928年竣工。

コルビュジエのサヴォア邸よりも前の作品。

円筒形の内部は象徴的な本のための空間。

知の積層を空間として体験出来るよう断面計画に工夫が凝らされています。

外からは中を窺い知ることは出来ないが、中からは街並みを直接的に見返すことが出来るという。

アイコニックな知の空間が街並みと連続して体感できることの文化的贅沢さ。

この非日常性が街並みと直接つながっていることはアスプルンドによる天才的な発明。

ストックホルム市民を心から羨ましく思います。

以上、アトリエハレトケ長崎が今回はストックホルムよりお送りしました。

ここから船旅でヘルシンキへ戻ります☺️

また次回をお楽しみに!!

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