建築家にとって、設計した建築の写真は唯一と言ってもよい営業ツールであると思っています。HPにその写真を掲載したり、直接お会いする機会があれば案件ごとに作っているアルバム（右）をお見せしたりで「こんな住まいをつくっているものです」という受け身の営業スタイル。でもここで「おっ！」と思ってもらえることが何より重要かと。だから建築が竣工するたび、お付き合いのある何人かの建築写真家の中から、特にその建築にマッチするであろう写真を撮られる方をよくよく吟味させていただいて、お願いすることにしています。

今回もそんな信頼するフォトグラファー「益永研司」さんに依頼した「下井草Ｅ邸」。大きな庭が特徴のお住まいです。上の写真はそのマジックアワーの撮影風景。日没前後の一瞬なので、いつもこのタイミングは緊張し、しかるべきタイミングを待っています。益永さんはいつも撮影直後のカットをiPadに飛ばし、リアルタイムで今撮ろうとしている写真の状況を見せてくれますが、ここで私から意見することなどはまずないです。事前にも撮って欲しいカットやその時間帯など聞かれますが、いつも「空気を切り取る感じで」とだけお願いして、後は写真家に自由にとってもらうようしています。その方が「そこを、そう撮るんだ…」という楽しみもありますし、結果としても私の好きな、いい写真が撮れているように思うので。

いずれ近いうち、ＨＰなどにこの「下井草E邸」の写真をアップしますので、ご期待ください！