スタジオエイト設計室の木内です。

「エネルギーパス」という言葉をご存知でしょうか。私もはずかしながら、先日聞いたセミナーにて、初めて知ったもので、「わかりやすい共通の住宅の燃費の評価方法」です。ＥＵを中心に主要先進国では、建物の新築時だけでなく、不動産の売買や賃貸の情報に、その評価を明示する必要があり（義務）、不動産の判断材料のひとつになっているとのこと。確かに、今では車や家電などを購入する際には、燃費がひとつの判断材料になっていることは、言うまでもなく、住宅においても、共通の「エネルギーパス」の評価が普及することで、省エネ住宅の普及も進めたいという取り組みです。

今まで日本では、なかなか普及しなかった理由としては、日本の住宅寿命の考え方が、一番大きいのではないかと思います。地震の多い国であり、家族構成などにも関係するかもしれませんが、100年住宅という感覚が、なかなか持てないために、新築時に低コストであることが重要視されている（＝断熱・気密・蓄熱が重視されていないというか後回し）ことが背景にあるのではないかとも感じました。

話は少し変わりますが、来月から改正された建物建築エネルギー法が施行され、一般的な住宅の省エネ性能について、設計者から施主に対しての説明が義務化されます。

それに伴い、当設計事務所でも、住宅性能についてどのように評価を行い、施主にどのように説明を行えばよいかなどを、来月の施行に向け、学び情報収集しています。

施主にとってわかりやすく、また住宅の寿命など含め、何十年後も見据えた考え方を共有できるよう打合せを行い、丁寧に説明することをこころがけたいと思っています。