こんにちは。小川貴之建築デザインの小川です。
本日は田都会の動画チームとしてメンバーの永峰さんの取材に訪れました。
最近は雨の日が多かったのですが晴天に恵まれ取材日和でした。
田都会では今年の夏から各メンバー紹介を兼ねた動画を作成・公開をしており、永峰さんで3人目です。
私は今回が初めての動画編集担当ということで、少しだけ緊張しながら撮影に臨みました。
永峰さんにはご自宅の設計に関することや住宅設計で大切にしていることなど、色々とインタビューをさせていただきました。
こうしたインタビューや取材を通してメンバーである各建築家の仕事の表情や設計に対する考え方を直接垣間見ることができるのもチームで動画撮影を始めてみて良かったことです。
インタビューの際には永峰さんの奥様にも色々とご協力いただき助かりました。
お忙しいところありがとうございました。
すでに田都会のYouTube登録チェンネルではメンバーの長崎さんのアトリエ兼自宅の紹介動画を公開し、私のアトリエ兼自宅の紹介動画も近日公開予定です。
永峰さんの取材動画は11月中を目標に公開予定できるようにこれから編集に取りかかります。
メンバー紹介以外のイベント動画も随時アップロードをしていく予定ですので、是非、田都会のYouTubeチャンネル登録をお願いします!
季節は秋、・・・のはずですがまだ暑い日が多いですね
秋は無くなってしまったんでしょうか
とはいえ夜が長くなるこの時期は読書や音楽、映画鑑賞などに惹かれますよね
我々設計者もシアタールームやオーディオルーム、防音室など日々様々なリクエストをいただきます
今日はちょっと変わったオーディオルームをご紹介したいと思います
☆
オーディオルームといっても様々
景色を眺めながら音楽を聴くのか
音楽だけに集中するのか
家族で楽しむのか
一人だけで聴くのか。
今日ご紹介するのは「音楽の世界に浸かり切る空間」
雑音を一切入れず、音の環境を最高レベルまで響かせる楽器のような空間です
広い空間に椅子が一脚だけ
そう、ここはたった一人だけで音楽を愉しむ空間
音の響きを確保するため
30畳の有効空間の周囲と3mの天井の更に上には
それぞれ1m弱の反響スペースを確保しています
床も30cm近いコンクリートの床盤を
ゴムの緩衝体で躯体から浮かせています
円柱状の木材の集合体は反響体
この反響体の裏にある反響スペースへ音が出入りすることで
リアルな音響空間を生み出します
どのくらいリアルかというと
音楽をかけて目を瞑ると
センターにヴォーカルが、上手にピアニストが、下手にベーシストが、少し奥にドラマーが
それぞれの位置を持った音像が両耳を通して瞼の裏に浮かびます
ちょっと眉唾に聞こえてしまうくらいに
リアルな音場なのです
当然これは建築だけの功績ではないと思いますが
建築無しにはあり得ない音響が確かに存在しています
☆
これ以外にも
ピアノ室やドラムが叩ける音楽スタジオ、シアタールームなど
様々な設計対応が可能です
秋の夜長にやってみたいこと
ぜひお気軽ご相談ください
☆
株式会社スタンダードデザイン(旧リツデザイン)吉田立
皆さまこんにちは!アトリエハレトケ長崎です。
夏休みも終わり、徐々に秋の気配が迫ってきましたね。
この度、私たちの設計で、北海道・白老に新しく文化交流拠点が誕生しました。
ビール醸造工場(The Old Grey Brewery)とアートギャラリー(Brew Gallery)からなる複合施設です。
柿落としの展示は、国松希根太「in shiraoi」でした。(2024年4月27日(土)- 6月2日(日))
その後、國松明日香(2024年6月8日(土)- 7月7日(日))、相川みつぐ(2024年7月13日(土)- 8月18日(日))と続き、私も先日の飛生アートコミュニティによるグループ展(2024年8月14日(土)- 9月15日(日))を再訪してきました。
この施設は、かつてスーパーマーケットでした。オーナーチェンジにより別棟が増築されて、仕出し弁当の店舗および工場として使われ、その後さらに改装されて、しばらくの間、岩盤浴場として用いられていました。
今回の計画に際して検討を重ねた結果、ビール醸造工場を併設した飲食・物販店舗を併設するギャラリー複合施設へと模様替え(リノベーション)することになりました。
この場所の最大の特徴は、街に開かれたアートギャラリーであることと、ビール醸造工場が併設されていることです。
この工場では最大20,000Lのビールを醸造することができます。醸造責任者は、地域産の原材料を用いた環境に配慮したビール醸造で著名な十河文英氏。今現在、8000Lほどのエールが仕込まれていて、10月から順次蔵出しされる予定ですが、年明けにはバリエーション豊かなラインナップが揃う見込みです。
もちろん、隣接するギャラリーで飲むことも、購入することも可能です。
現在、Brew Galleryでは、ROOTS & ARTS 2024:樽前山を望んで(2024年9月20日(金)- 10月13日(日))を開催しています。
白老には山と海があり、白老牛や毛蟹に舌鼓を打つことができます。アイヌ文化を紹介する国立博物館ウポポイがあり、数々の芸術祭が開催され、木彫りの熊をたくさん目にすることができます。鹿たちは街中にまで出没しますし(笑)、素晴らしいランドスケープとともに競走馬の故郷でもあります。文化的にとても豊かで、人々も皆さん魅力的な方々ばかりです。
新千歳空港から1時間足らずの好立地ですので、是非この魅力的な街を、訪ねて体感してみてください。
きっと素敵な出会いが皆さんを待っているはずです!
今回は、アトリエハレトケ長崎がお送りいたしました。
また次回、お会いしましょう!
Villa Savoye
Le Corbusier
1931年竣工
前回に引き続きル・コルビジェのサヴォワ邸
外観の美しさはもちろん、室内も見どころの連続でした
1階のエントランスはR形状のサッシからの緑の揺らぎと
スロープの上空から差し込む自然光でキラキラと輝いていました
2階も見どころ満載なのですが、
室内とテラスに連続する横連続窓からの景色は
緑の大海原を見渡す特等船室からの眺めのよう
建物の様々な工夫は
敷地環境を活かしきるための工夫であることを
実際に観て感動したことを今でも手に取るように覚えています
☆
次回のスケッチ旅もご期待ください
株式会社スタンダードデザイン(旧リツデザイン)吉田立
こんにちは、リツデザイン一級建築士事務の吉田です。
前回24/5/13、前々回2024/3/12のブログでご紹介してきたリノベーション案件。
今回は竣工した写真をご覧いただきます。
◆
このお住まいのテーマは永く使えてかっこよすぎないこと。
「自分たちにとってカッコ良すぎるのはちょっと・・・」と照れながら仰っていましたが
ご自身が育った建物と永く仲良く付き合っていきたいという想いがあるのではないかと思いました。
外観
2階が撤去されシンプルに。基礎廻りも整理されて建物のメインテナンスがしやすく長寿命化を図りました。
庇も深く伸びていて実用性とともに陰影が奇麗です。
濡れ縁のある南面。
海からの風を気持ちよく取り込みます。
既存の躯体が現しになっている室内空間
LDKの北側エリアにもハイサイドライトから自然光を取り込みます。
リビングダイニングにはソファの代わりに畳コーナーを設けました。
縁側部分でひとつながりになる間取りなので、動線と交差する家具が無くなってスッキリ。
窓上には既存の丸太梁が残されています。
屋根断熱と絡む部分なので間接照明を使用して照度を確保しています。
南側の3室(客間~リビング~寝室)は縁側部分の引き戸を開けるとひとつながりに。
昼間の時間帯の明るさ、拡がりをもたらしてくれます。
◆
以上、いかがでしたでしょうか。
築54年の木造住宅のフルリノベーション
性能面も間取りもこれからの未来を見据えた建物として
クライアントの暮らしを支えてくれることを願っています。
◆
リツデザインのリノベーション案件はこちらからご覧いただけます
こんにちは!アトリエハレトケ長崎辰哉です。
暑さがじわりと増しつつありますが、皆さま、お元気でお過ごしでいらっしゃいますか?
5月中旬、4年前(2020年5月)にお引き渡しをした都内のお住まいにお邪魔してきました。
こちらの住まいは、既存建物を全て取り壊すのではなく、地下躯体を残してその上に新たに木造二階建てを新築した「半分新築半分改築の家」=「半新半改の家」という特徴的な建築なのですが、そちらの詳細は別な機会に譲ることにして、今回は熱環境のお話です。
ご覧の通り密度の高い住宅街にあって、リビングから空が見える、とても魅力的なお住まいなのですが、夏になるとこの高窓から差し込む日射が強く、室温が高くなり過ぎてしまうことがあったので、何か良い工夫がないものか?とのご相談をお客様からいただいておりました。
そこでさまざまな手法を検討し、2022年の夏、外付けの電動ブラインド「ヴァレーマ」(オスモ&エーデル社)を増設することになりました。今回はその効果測定にお邪魔したというわけです。
このように高窓の「外」で日射をカットすることができます。(熱は家の外でカットするのが鉄則です。)
室内に居ながらにしてリモコンで羽根の角度や上げ下げを調整できますので、完全に遮光したり、わずかに自然光を取り入れたり、自然光を天井に反射させて室内を明るくしつつ熱を遮る、など様々な使い方を自由にすることができます。
もちろん、完全に上げてしまえば、冒頭の写真の通り、窓からは空しか見えずスッキリ!(←でも実はこれはお客様と設計者のこだわりが詰まっているからこそ。取り付け時の工夫によってこのように何もないように見せることができるのです。)
窓の上半分だけを完全遮光として、光と熱を制御することも想いのまま!
こんなふうに「空は見たいけど日射は遮りたい」という理想も簡単に実現できます。
あまりにも快適な室内環境についつい長居をしてしまう私😁。
温熱環境をいかに整えるか、というのは建築デザインにおける最重要課題のひとつです。
夏の日射は外でシャットアウトする、という日本古来からの暮らしの知恵である「簾(すだれ)」の現代版ともいうべき技術ですね。素晴らしい効果にお客様もメーカー担当者も私自身も納得のひと時でした。
その時の様子がこちらにレポートされていますので、ぜひご覧ください。
このヴァレーマは、外壁周りに電源さえあれば、後付け対応も可能です。
暑い夏にお困りに皆さま、びっくりするほどの快適さを簡単に手に入れることができますので、ぜひご検討してみてはいかがですか?☺️
今回はアトリエハレトケ長崎がお送りしました。
家づくりや施設づくりでお悩みの皆様、ぜひ私たちお気軽に田園都市建築家の会にお気軽にご相談ください。
私たち建築家と一緒に考えることで、きっとご満足いただける良い成果を引き出すことができます!
ご自身らしい家づくり、施設づくりを前向きに思う存分楽しみながら実現しましょう!
Villa Savoye
Le Corbusier
1931年竣工
ル・コルビジェによる20世紀の住宅の最高傑作のひとつ
建築好きなら知らない方はいない名作ですが
写真だけだといまひとつピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんね
私も実際に現地を訪れるまでは最高傑作という実感が湧かなかったのですが
遠景からこの建物を見た瞬間にその素晴らしさに魅了されました
先ずはロケーションが素晴らしい
美しい公園から連続した緑あふれる丘の上の敷地に
一階部分が緑に塗装された白い住宅は
静寂に包まれた緑の海に浮かぶ白い船のよう
息をのむ美しさです
ピロティ部分の柱の細さ
緑の色合い
白い軒裏に映る緑の反射は
船の底面近くに映る水紋の反射のようです
室内も素晴らしいのですが、それはまた次回のお楽しみにてご期待ください
☆
株式会社スタンダードデザイン(旧リツデザイン)吉田立
皆さま、こんにちは!
アトリエハレトケ長崎辰哉です。
4月吉日、現在手掛けている「たまよんガーデン・コミュニティ」の現場が上棟しました。
障がいを持つ方々が仲間や庭や街の人々と交流しながら自律的に暮らすための場所づくりのお手伝いです。
前々日までは、基礎と土台しかなかった場所に、棟梁を始めとする8名の大工の手で、わずか二日で建物の枠組みが一気に立ち上がりました。
晴れの日に相応しく半被を背負うかしの木建設の勇壮な面々。今回の事業主様のこのプロジェクトにかける想いに神妙な面持ちで聞き入ります。
ベテランから今年入ったばかりの大工まで、現場での実践を通じて、しっかりと技術が継承されていくのがかしの木建設の現場の魅力です。
木造は私たち日本人の精神性に深く根ざしており、何度現場を経験してもその都度、大いに学びがあります。これは建築家として幾つになっても、どれだけ経験を積み重ねても変わることのない「木造で建てることの魅力」だと思います。(珍しく建築家本人も顔出し写真で登場)
つくり手が事業主の想いにしっかりと耳を傾ける姿を見て、良い建築は、人の心がつくり手に正しく伝わることで、生み出されるのだと、改めて感じました。
私たちも、空高く掲げられた幣串を見ながら、気持ちを新たに、最後までしっかりとこの建築の誕生を見届けようと心に誓いました。
完成は今秋九月を予定しています。
内覧会をぜひ楽しみにしていらしてください。
今回はアトリエハレトケ長崎がお送りしました。
家づくりや施設づくりでお悩みの皆様、ぜひ私たちお気軽に田園都市建築家の会にお気軽にご相談ください。
私たち建築家と一緒に考えることで、きっとご満足いただける良い成果を引き出すことができます!
ご自身らしい家づくり、施設づくりを前向きに思う存分楽しみながら実現しましょう!
こんにちは、リツデザイン一級建築士事務の吉田です
ちょっとドキッとするタイトルですよね
でも建て替えが出来ない敷地は案外あるもの
そんな敷地でのフルリノベーションを何回かに分けてご紹介します。
◆
今回は築54年のご両親のお住まいを建て替える計画で進めていたのですが
畦畔(あぜ道のことですね)や周辺複数軒家の古い取り決めの整理などにあたって
建物を新築することが出来ない現実に突き当りました。
ご新築の打合せと平行して
古い資料を集めて地域の方々と調整をされていたクライアント様にとっては
とてもがっかりされたに違いありません。
そこで我々は築54年になる今の躯体を活かしながら
間取り更新と性能向上を実現するフルリノベーションをご提案。
具体的には
・40年前に増築した2階の撤去
・耐震3相当の耐震性能向上
・高気密高断熱化(C値<1.0、断熱性能HEAT20 G2グレード)
・今後2~3世代にわたって永く使えるシンプルな間取り
を目指してプロジェクトをスタートしました。
◆
設計と見積がまとまると、先ずは解体調査
事前に調査した構造躯体と解体後の状況に差異が無いか
躯体の劣化やシロアリの食害が無いかなど詳細に調査。
構造設計者と一緒に確認し、異なっている部分や逆に活かせる部分は設計に修正を加えます。
どんな特徴的な躯体が出てくるのか、心配ながらも楽しみな瞬間の一つです
今回は屋根形状を変更し、既存の梁が活きるように設計を一部変更しました。
設計の修正を終えるとすぐに基礎工事
50年以上前の建物に現行法の構造強度を与えるには先ずはこの工程が大事になります。
イレギュラーな部分に対して設計に修正を加えながら構造強度が実現するように協力して進めます。
◆
お読みいただきありがとうございます。
続きはまた次回、2024/5/13のブログでご紹介させていただく予定です。
◆
リツデザインのリノベーション実例はこちらからご覧ください
田都会ファンの皆さまこんにちは!
今年の冬は暖かい(むしろ暑い)なぁ・・・と思っていたら、3月に入って急に冷え込む日が続きますね。
皆さまは暖かくお過ごしになられていますか?
この寒さの中にあっても、高気密・高断熱の住まいに暮らしていらっしゃる方々は、とても快適にお過ごしなのではないでしょうか?
そんな高気密・高断熱のお住まいについて、私たちが設計して昨年夏にお引渡しをしたお客様のお住まいに、先日、暮らしかた冒険家:伊藤菜衣子さんが取材に来てくださいました 。
伊藤菜衣子さんは、熊本→北海道→愛知と移り住みながら「高品質低空飛行の暮らし」を実践してきた、正に「暮らしのプロ」と言える方です。ご自身で気密施工や断熱施工までこなしてしまう(←すごい!)スーパーレディでもあります。
こちらの住まいは逗子の小高い山の上にあって、20年以上住み続けていらした住まいの建て替えプロジェクトです。
ご夫婦が長年ご愛用されてきた松本民藝家具を中心に、この地で積み重ねられてきた様々な想い出に囲まれて、隣接する公園や周りの豊かな緑を眺めながら心穏やかに暮らせる「終の住処」として、私たちとしても設計を大切にお預かりしました。
施工は、逗子葉山エリアで有名な工務店スターホームです。
「高気密・高断熱の住まいに暮らして一番変わったことは何ですか?」という伊藤さんからの質問に身振り手振りで答えるご夫妻。
季節を通じて本当に快適を実感されているのがヒシヒシと伝わってきましたが、側で聞いていて、一番の変化は「暮らしが開かれたこと」なのかな?と感じました。
「高気密・高断熱の住まい」に住み始めて、空気としては「閉じている」のに、暮らしや気持ちとしては「外へと開かれて」いて、それにより暮らしがとても楽しく豊かになっているようです。
これは本当に建築家冥利に尽きますね!
2階に作り付けられたオーディオコーナー。
アナログレコードとCDを自在に選んで鳴らすことができます。
2階のホビールーム。
子育てを卒業されたご主人の趣味全開の素敵な設えにかなりワクワクする空間です。
暮らしの主舞台となるメインリビングは2階のすべて部屋から見下ろすことができます。
中心に位置する円卓は、数十年の間、ご夫妻の暮らしに寄り添ってきた松本民芸家具のテーブルです。
自分たちの暮らしを客観的に眺める場所があることは、暮らしの豊かさをグッと高めますね!
玄関にはお雛様が飾られていました。とっても素敵な設え!
実はこちらのお雛様、数十年ぶりのお披露目となったそうです。
ご夫妻が暮らしを如何に楽しんでいるか、問わず語りに教えてくれているかのようで、とても嬉しくなりました!
そんな訳で、今回の取材はとても盛り上がりました。
こちらの内容は、新建新聞社「だん」という雑誌に掲載される予定です。
最後に、伊藤菜衣子さんの岡崎のご自宅では、街に対して開かれたこだわりのカフェ、coffee to _______をオープンされています。これは是非とも訪問してみたいですね!!
以上、本日は、アトリエハレトケの建築家長崎辰哉がお送りいたしました。
高気密・高断熱の住まいに興味がある皆さま、どうぞ気軽にご相談くださいませ!
それではまた次回、お目にかかりましょう!!
こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。
前回に引き続き、戸建てリノベーションの実例をご紹介。
こちらは築25年で耐震性が確保されていた戸建て住宅。
耐震診断+間取り変更を考慮した耐震補強と断熱性能の向上を行い、長期優良住宅を取得しています。
玄関の上が吹抜けになっていた既存建物。半透明の床で1~2階の空間をやわらかく繋ぎます。
バブルの前後、「玄関の吹き抜けがカッコいい!」と考えられていた時期があったようでその時期の注文住宅はこぞって玄関に吹抜けを設けていました。見たことがある方も多いのでは?
でも住んでみると何でここを吹抜けにしたんだろう、と疑問に思う方も少なくないようです(設計段階でよく検討された効果的な吹抜けだと全く効果が違うのですが)。
この上は家族のフリースペース。
大きなテーブルで家族それぞれが思い思いの時間を楽しんでいます。
この家族の雰囲気、楽しさの一端が玄関を入った瞬間に感じられるとほっと一息つけるような気がしてきませんか?
玄関から続きの和室だったスペースは、土間スペースに。
自転車だって乗り回してしまいます。
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みたけ台の家はこちらのリンクからご覧いただけます。
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それではまた次回も戸建てリノベーションの実例第三弾をご紹介しますね
こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。
近年、戸建住宅でもリフォーム・リノベーションの需要が高まっていますね。模様替えのリフォームではなく、暮らし方や住宅性能そのものを向上させるリノベーション。新築同様の長寿命化が求められるリノベーションが増えています。弊社では性能向上リノベーションに長く取り組んできましたので、その実例を数回に分けてご紹介したいと思います。
こちらは築40年の木造住宅のリノベーション。
高台に建つ住宅でしたが、毎日苦労して階段を上っても高台を楽しむ場所が無い。そこで寝室を1階に、LDKを2階に、と上下入れ替えてさらにリビングを増築。戸建て住宅とは思えないような高さから街を一望できる暮らしに変わりました。
とはいえ築40年の建物は耐震基準に満たなかったり(今の評価だと耐震性はゼロ!)躯体がわずかに傾いていたり。なのでスケルトン状態にして基礎をアラミド繊維等で補強して建物を垂直に直し構造計算に基づいて補強をして。
結果、長期優良住宅を取得し、増築によって建築確認も改めて取得(なかなか手続きは大変でしたが)。
新築同様、長く安心して快適にお住まいいただけて、資産価値も再確保。
でもそれってとっても費用がかかりそう、と思いますよね。
確かに模様替えのリフォームと比較すると、相応に費用がかかります。
それでも既存を壊して同規模の新築を建てるより2~3割安く納まります。
そして既存利用のもうひとつのメリットは敷地環境を活かすことが前提となること。
新築を計画するとついつい外回りも一新したくなるもの。
リノベーションはそこにあるものを大切に引き継ぐ姿勢がベースにあるので、お庭や環境を活かすことが基本になることが多いです。
敷地に係る更新費用は、建物価格のやはり1~2割程度になることがほとんどです。
横浜あたりの高台になると古い擁壁が使えないなど数百万円単位になることが少なくありません。
総額で考えると新築と比較して3~5割程度は安くなる算段です。
今の建設価格高騰を考えるとかなりの金額差になってきますね。
建築は大切な社会の共有物です。
壊して建てるのほかに、活かして建てるという選択肢があることも知っておくと、家づくりの選択肢が広がるかもしれません。
※青葉台の家はこちらのリンクからご覧いただけます
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実際私自身も住宅の一次取得者でしたが、①土地+新築、②マンション購入(家族の希望)、③マンション購入+リノベーション、④中古戸建購入+リノベーション、という4つの観点からフラットに検討することで資金的にも選択肢を増やすことが出来ました(結果は中古戸建購入+リノベーションとなりましたのでいずれご紹介しますね)。
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お読みいただき有難うございました。
次回も戸建てリノベーションの実例をご紹介させていただきます。
アトリエハレトケ長崎です。
(前回の続きです)人生初のコペンハーゲン訪問の後、これまた人生初のストックホルムに飛びました。
ストックホルムでは、まずはセント・マークス教会を訪問。
森の火葬場をアスプルンドと共に手掛けていたレヴェレンツが、道半ばにしてプロジェクトから外され、その傷心からのリベンジを図った75歳の時の仕事だそうです。
ロマン主義的なローカルモダニズムと言えそうな建築様式。
公園との関係性や自然光の取り込みかたなどが、トゥルクにあるブリュグマン設計の復活礼拝堂にも似ている気がしました。
セント・マークス教会の次は、世界遺産、森の礼拝堂(Skogskyrkogården)へ。
設計は当初、レヴェレンツとアスプルンドが協働し、最後はアスプルンドが単独で完成させることになったそうです。
道半ばで外されたレヴェレンツは失意に沈み、アスプルンドは名声を確固たるものに。
1940年にアスプルンドが死没するまでの25年をかけて設計と施工を繰り返して生み出された墓所。
そしてアスプルンド亡きあとは、再びレヴェレンツが自身の生涯をかけてランドスケープの設計を引き継いだと言う熱い話も。
本当に絵のような風景。
北欧の空ならではの光の色。
そしてストックホルム市立図書館へ。
みごとな自然とのコントラスト。
青空に対する補色としてのオレンジ色か。
隣接する公園との相性は良いけれど、街並みの中では唐突すぎる気も。
そして外装がチープで表層的なのは意外。このあたりは北欧モダニズムの模索の痕跡?
1928年竣工。
コルビュジエのサヴォア邸よりも前の作品。
円筒形の内部は象徴的な本のための空間。
知の積層を空間として体験出来るよう断面計画に工夫が凝らされています。
外からは中を窺い知ることは出来ないが、中からは街並みを直接的に見返すことが出来るという。
アイコニックな知の空間が街並みと連続して体感できることの文化的贅沢さ。
この非日常性が街並みと直接つながっていることはアスプルンドによる天才的な発明。
ストックホルム市民を心から羨ましく思います。
以上、アトリエハレトケ長崎が今回はストックホルムよりお送りしました。
ここから船旅でヘルシンキへ戻ります☺️
また次回をお楽しみに!!
こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。
長時間座りっぱなしで集中すると食事も忘れていたなんていう不健康生活真っただ中の私たち設計者ですが、それでも何とか健康を維持しようとウォーキングなどに取り組んでいます。
特に猫と暮らし始めてからは必ず早朝に起しに来る!のです。
こうして朝まで寝ていてはくれないのです。
もう起きるついでということで、近所をお散歩することにしました。
夏は5時前には日の出でしたが最近は6時過ぎに。
でも今年はなかなか寒くなりませんね
お散歩コースは海側のほかに山側に行けば伊勢山皇大神宮や前川國男の建築群が迎えてくれます。
神奈川県立音楽堂
夜の神奈川県立音楽堂。お散歩の時間とは関係ありませんが中と外が反転して美しい。
地元をちょっと違う時間に歩いてみると意外な発見があるかもしれません
★
次回11/30のブログでは戸建てリノベーションの実例をご紹介しますね
(前回の続きです)ヘルシンキの後、人生初のコペンハーゲンに飛びました。
コペンハーゲンは自転車の街。中央駅の前でもこの自転車の山です。
鉄道にも自転車専用車両が用意されていて、これにはビックリ。
街路によって、自転車が滑らかに動けるよう歩行者が歩ける範囲が図示されているあたり、文化の違いを痛感。
コペンハーゲンもまた北欧的なコンパクトシティで中央駅周辺の徒歩圏内(もしくは自転車圏内)には名所・名建築がひしめきあっています。
こちらは私が岡部憲明アーキテクチャーネットワークに勤務していた25年ほど前に王立劇場の国際コンペで競い合った設計事務所による複合ビル。流石のデザイン。国際的な構造設計事務所であるARUP社が入居しています。
その向かいにはディズニーランドのモデルとなったチボリ公園が。1843年の開園から180周年を迎えています。
東京駅に隣接してディズニーランドがあるようなもので、実はこれ、市民を骨抜きにして王室の政治から目を逸らすためにつくられたらしいですが、都心の超一等地に市民の憩いの場がある都市構造の豊かさに驚嘆。しかもアトラクションがどれも魅力的かつハイレベルで、ウォルトディズニーが通い詰めてディズニーランドの構想を練った、という伝説にも納得です。
こちらはアルネ・ヤコブセン設計の名作ホテル。
ここでは世界的に有名な螺旋階段を体感することができました。
モノとしての構造と構法の美しさで人類の歴史に残る王道のデザイン。
変化のスピードが速い現代においてこのようなデザインの実現は難しいこともあり、否が応でも時代の流れを感じてしまいますね。
そして今回のコペンハーゲン訪問のハイライト、世界で一番美しいと言われる美術館「ルイジアナ美術館」へ。
建築と自然と人の手の入ったランドスケープとが融合した幸福度の高い環境。
コロナ禍に抗うように世界中から多様な人々がここを訪ね、アートと食事と交流を楽しんでいる様子がとても印象的でした。
まるで絵画のような風景でしょう?これこそ人間的豊かさの体現だ!と感動しました。
世界的に有名なジャコメッティの部屋。彫刻を展示する空間の大きさ・プロポーション・構成の教科書のような空間に唸りました。
そしてDana Shutzの特別展で夢中でスケッチをする親子に、自由と自己責任が浸透している高次元の精神文化の豊かさを目の当たりにし、あぁ・・・なんでも管理されないと気が済まない日本のままでは、この文化レベルにはいつまで経っても届かないな、との危機感を強く持ちました。
こちらはコペンハーゲン中央駅。
今の駅舎は1911年に完成してすでに100年以上を経ていますが、まるで鉄骨造のようにも見える美しい集成材による木造アーチが見事で、当時の建設技術の高さを現代にまで伝えています。
100年以上前に生み出された建築や空間や施設が今も生き生きと日常的に使われているコペンハーゲンの街の様子を見て、現代をつくる建築家としての自分の役割の重さを痛感する滞在となりました。
以上、アトリエハレトケ長崎がコペンハーゲンよりお送りしました。
ここから鉄道で空港へ向かい、次はストックホルムへ飛びます。
また次回をお楽しみに!!
5月下旬に5年ぶりの北欧旅行をしてきました。その時の話を数回に渡ってお届けします。
今回訪ねたのは、ヘルシンキ・コペンハーゲン・ストックホルムの3都市。
まずはヘルシンキに到着して最初に、今回の最大の目的の一つである、新しい中央図書館「Oodi」へ。
5年前は施行中でした。それでもその迫力ある姿は脳裏に張り付いて忘れられません。
完成形がこちら。とてもダイナミックにうねる図書館複合建築です。
3階建てで、1階がエントランスとホールと食堂と映画館、2階がコワーキングスペースとワークショップ、3階が図書館となっています。(ちなみに地階には完全ジェンダーフリーのトイレがあります)
そして全てのフロアが、あらゆる人々に対して、広く開かれています。
うねる建築自体が大きな庇となって中央駅すぐ脇の都市広場を覆っています。写真右手に見えるクジラのような建築は、KIASMAと呼ばれる現代美術館です。
この螺旋階段で3階の図書館まで上がることができます。(ガラス越しの背後に国会議事堂が見えています)
上がった先にはこんなステキな図書館スペースが広がっています。床自体も3次元にうねっています。
一番高い場所では地元の女子高生がお弁当を一人で食べていました。
ソファで朝から横になって寝ているオッサンも。
誰もが自由に出入りして自由な時間を自由な居方で楽しめるのがすごいな、て思います。
これが日本社会だとすぐに「飲食禁止」と管理しちゃうところですが、フィンランドの社会は「自己責任をとても尊重する文化」です。成熟度がとても高いですね。
(明確に日本社会はこの点において国際社会の中で非常にレベルが低いです。国内にいると気付けません。)
見事なライブラリーランドスケープ。ユーザーが思い思いの時間を過ごしています。
実は私も終わり切らなかった仕事に取り掛かりました(笑)Wi-Fi入るし。電源あるし。日本から到着したばかりなのに。
そのまま奥上バルコニーに出ることも可能です。当たり前に斜めの床が使いこなされているのが斬新!
このバルコニー最高です!
このバルコニーからは、フィンランディアホール(左端に見切れています。改修中でした。)や・・・
真正面には国会議事堂が見えるという贅沢な眺望。(左端に前出のKIASMAが見切れています。)
つまり、ヘルシンキ中央駅のすぐ脇に、中央図書館・現代美術館・国会議事堂・現代音楽ホール・フィンランディアホールという5つもの文化施設に囲まれた極めて優れた都市広場が広がっているのです。
これは世界でも稀な事例ですが、本当に素晴らしい都市計画です。羨ましすぎるぜ!!
さすがフィンランド。いきなりのハイライト。唸りました・・・。
以上、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。
次回はコペンハーゲンへ飛びます。(そして最後にまたヘルシンキに戻ってきます)
お楽しみに!
リツデザインの吉田です。
まだ寒い日が続いていますが、立春からだんだんと暖かい日も増えてきましたね。
リツデザインのショールームである私の自邸では、2mを超えるシンボルツリーと暮らしています。
天井まで伸びるこの木はツピタンサスという種類で、手を広げたような葉が特徴です。
このツピタンサスくん、春を迎えて新芽をたくさんつけてくれました。
赤ちゃんの手のように小さく可愛いのですが、日に日に力強く大きく育ちます。
樹木の成長を見ていると、命が燃え尽きるその瞬間まで、常に成長し続けることを実感します。
私たちも一瞬一瞬を大切に成長していきたいですね。
アトリエハレトケ長崎です。
今回は車のデザインについて。
先日、イギリスのスーパーカーメーカー「マクラーレン」の東京ショールームを訪ねる機会がありました。
最先端のデザインやモノづくりの精神について、建築と車両とで何が同じでどう異なるのか、じっくり考えてみたいと思ったからです。
こんな先鋭的なデザインに革新的な性能を秘めたモンスターマシンを間近に見ることが出来ます。
このショールームの素晴らしいところは、この美しい外観の下に隠れているシャシー(骨組み・構造)が展示されていること。
アルミとカーボンファイバーの複合フレームにエンジンやシートが乗っていることが良く分かります。
細部に至るまで最先端技術の集積なのですが、特に目を引くのは、アルミとカーボンファイバーの接合部。
アルミとカーボンという強度や変形特性が異なる素材同士をどのように接合しているのか、興味津々です。
それぞれの素材特性を活かしたフレーム形状やつくられ方も見逃せません。
様々な課題をクリアして、このような美しいスーパーデザインが実現出来る訳です。
普段目に触れる外観だけではなく、その皮膜の下にどのような構造や性能が隠されているのか。
それをどのように統合し、美しく表現するのか。
車のデザインは、建築と異なるようでいて、実は多くの共通点を持ったとても魅力的な世界です。
優れた建築のデザインは、建築の世界だけを見ていては、決して生み出すことが出来ません。
私たち人間の社会的営みへの愛情あふれる眼差しや好奇心を常に忘れないことが大切だと私は信じています。
素材を知り、技術を学び、それらを統合する職人たちをリスペクトしながらデザインの新しい価値を引き出したい。
そんな思いを新たに、前向きな気持ちでショールームを後にしました。
以上、今回は最先端の車のデザインについて、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。
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