こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。
江戸東京たてもの園にある前川國男自邸を再訪しましたのでご紹介です。
建築家・前川國男さんはル・コルビジェ、アントニン・レーモンドの元で建築を学んだモダニズム建築の建築家です。
横浜にある私の事務所のすぐ近くにも神奈川県立青少年センターや神奈川県立図書館、神奈川県立音楽堂などの美しい建築を見ることが出来ます。
夜景も美しい神奈川県立音楽堂
紅葉坂の頂上に建つ神奈川県立青少年センター
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さて、そんな前川國男氏の自邸を見学できる施設があるんです。
それは東京都小金井市にある屋外博物館・江戸東京たてもの園です。
園の詳細はHPに譲るとして、前川國男自邸は品川区から移築された建物です。
竣工は1942年(昭和17年)第二次世界大戦の最中、物資が限られた中で建てられました。
外観は切妻屋根の力強い印象、電柱を再利用したという中央の丸柱、先に向かって太くなる破風板など、観るものに迫ってきます。
移築前とほぼ同様に再現されているアプローチの距離感も美しいですね。
自立している門灯も効いています。
これは正確な再現なのか不明ですが小ぶりのポストもなかなか良いデザインです
玄関と庭を仕切る大谷石積みも素敵です。
内部に入ると切妻屋根の日本的な外観からは想像できないスクエアでモダンな空間が広がります。
南側の大きな開口部に面する庭の先は、もともとは高台になっていたそうです。
この開口部から遠景が見渡せたと考えるとより美しさが際立ちますね。
見返した階段の先にある2階は書斎だったそうで、デイベッドが置かれた当時の写真が展示してあります(階段から先は見学不可)。
南北の開口それぞれに2本ずつの丸柱が配置されているのですが、どちらも雰囲気の異なる中、1本しかないような印象を与えるのが不思議です。
個人的には丸柱の光の回り込みなどでこのような印象の違いが表れるのではないかと勝手に推測しています。
書いていて思い出しましたが、前川國男の師であるル・コルビジェの国立西洋美術館の展示室の丸柱からも同じような印象を受けました。
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とりあえず長くなりましたので続きは中編・後編でご紹介したいと思います。
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住宅の内部を見学できる施設というのはそう多いものではありません。
新緑の美しいこの時期に、ぜひ一度見学に訪れてみるのはいかがでしょうか。
アトリエハレトケ長崎です。
すっかり春ですね。皆さんお元気にお過ごしでしょうか?
先日、お伊勢参りをしてきました。
初日に外宮にお参りをして神楽殿でご祈祷をしていただいて、翌日に内宮にお参りをしました。
あらゆる工作物や建築物が木造で造られています。
五十鈴川を渡る宇治橋さえも純粋な木造です。
床板や欄干は檜(ひのき)ですが、橋脚の部分には、より水に強い欅(けやき)を使用しているそうです。
手水舎の屋根はおそらく柿(こけら)葺きと思われますが、屋根葺き材をまとめているけらば(妻面)の破風板の細工に注目。凄まじい技術です。
ちなみに「柿(こけら)」と「柿(かき)」は異なる漢字です。どこがどう違うかわかりますか?
とても美しい光景に出会うことができました。お馬さんと一緒に参拝です。
アングロアラブ種の鹿毛がとても美しいお馬さんです。
でもご神馬が国産固有種でないのはなぜなんでしょうね?(ここ、かなり大切だと思うのですが・・・)
雨天の神事に使われる五丈殿も掘立柱の純粋な木造です。
とてもシンプルですが、大工技術の粋を集めたつくりで息を呑む美しさです。
ちょうど良い季節でしたので、満開の桜も楽しむことができました。
数年ぶりのお伊勢参りは、心をしっかりと洗うことができ、たくさんの学びを得る旅となりました。
引き続き初心を忘れず、建築の道に精進して参りたいと決意を新たにしました。
というわけで、今回はアトリエハレトケ長崎がお送りしました。
いやぁ、建築って本当に楽しく美しく素晴らしい文化ですね。
それではまた次回。元気にお会いしましょう!
アトリエハレトケ長崎です。
2023年3月10日。新たな住まいの棟上げを完了しました。
大工の棟梁(とうりょう)と鳶(とび)の頭(かしら)が力を合わせて棟上げしたものです。
かつての棟上げはご近所も交えた一大祭事でした。
建主ご家族が餅まきをすると、近所に住む子供たちが集まってきて、皆で賑やかにお祝いごとを共有する、といった風景があったそうです。(私はこれまで一度だけその経験があります)
棟梁と頭(かしら)が木遣り(息を合わせるための労働歌)を歌ってくれたこともありましたね。
そして上棟式の後は直会(なおらい)と言って、建主さまを交えて大工や鳶の皆さんと夜遅くまで宴会したものです。
最近ではそんな風景も珍しくなってしまいましたが、棟上げは何度経験しても本当に気持ちが上がります。
実際にはまだ工事の道なかばですので、ここからが本番、というタイミングでもありますが、更地だった土地に基礎が打たれ、その上に土台が敷かれ、その上に柱と梁が組み上げられる、というプロセスは、空間が一気に立ち現れることもあって、家づくりの中でも特に気持ちが高揚する魔法のようなタイミングです。
ここから壁や窓を設置して、屋外と屋内を仕上げて・・・と工事がどんどん具体的に進んでいくわけですが、しっかりと気持ちを引き締めてより良い成果を引き出すべく、お客様と二人三脚で頑張っていきたいと思います。
というわけで、今回は、アトリエハレトケ長崎がお送りいたしました。
建築家との家づくり。皆様もぜひご一緒しませんか?
ぜひお気軽にご相談くださいね。
アトリエハレトケ長崎です。
昨年、コーヒー専門店を設計するご縁に恵まれました。
場所はなんと鎌倉駅から徒歩3分の好立地。
小町通りから少し入ったところにオープンしたそのお店の名は「27 Micro Roast」と言います。
葛西甲乙さん率いる「27 Coffee Roasters」の新しいコンセプト店舗で、生産者とのつながりを大切にする「27」ブランド共通理念のもと、ホンジュラスから直接仕入れた厳選された珈琲豆の焙煎販売を軸に、腕利きのバリスタが淹れたてのスペシャルティコーヒーを提供し、軽食も楽しめる居心地の良い複合的なカフェとなりました。
焙煎工場・豆販売店・カフェという三つの機能が三位一体となったスペシャルティコーヒーの専門店です。
鎌倉にお出かけの際には、特別な一杯のコーヒーを味わいに、是非一度足を運んでみてください。
これまで知らなかったコーヒーの楽しさ・美味しさに、きっと出会うことが出来るはずです!
以上、アトリエハレトケ長崎がお贈りました。
アトリエハレトケ長崎です。
毎年秋に、京都に1週間ほど滞在して、日本の伝統文化と最新の都市文化を学ぶ機会にしています。
今回は、桂離宮を訪ねることが出来ました。
メディアに多く登場するこちらの「書院」は、今年の11月まで改修の大工事の最中で、残念ながら拝見することはできませんでしたが、それ以外の庭や建物だけでも見応えたっぷり。ご案内いただいた解説員の方の名調子と相まって、大満足の1時間を過ごすことが出来ました。
松琴亭の一の間の床と襖には青と白の唐紙が市松模様に貼り合わされており、現代から見ても新しく斬新な意匠だと感じました。
こちらは月波楼ですが、各建物が必ず隣接する風景と密接につながるように建てられているのが印象的です。
こちらは笑意軒。近隣の田園風景までをも建物内に取り込んでいることに驚きました。窓下の痛んだ箇所に金箔を貼って補修されていますが、その貼り方がとても尖っていて斬新です。こういうところに日本独自の意趣が表れていると思います。真面目に問題に取り組んで「型」を持つことはもちろん大切ですが、どうしたらより面白くなるか、真剣に課題と向き合う中で発見できる「新しいズラし方」=「型破り」こそ、日本文化の本質なのだと思い知る気持ちでした。
型があるからこそ型破りがある。規格があるからこそ破格もある。
こちらは黒文字というクスノキの仲間で作られた繊細な垣根。高級な爪楊枝としても用いられる樹種ですが、ここまで大胆に使われるとは、何たる贅沢。さすが歴代天皇の別荘です。
時節柄、紅葉も見事で、本当に見応えたっぷりの庭園と建築でした。お腹いっぱい。
この環境が街中にあって、日常生活と隣り合いながら、いつでも誰でも訪ねることができる。
やはり京都ってすごいな、て思います。
季節を変えて是非再訪したいと思います。きっと新たな学びを見出すことができるでしょう。
以上、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。
みなさま、2022年も残すところあとわずかですが、年末まで健やかに過ごしてまいりましょう!
こんにちは、リツデザインの吉田です。
近年横浜みなとみらい地区では建築ラッシュ。
特にホテルと音楽ホールが続々と竣工しています。
ホテルで言えば、オークウッドスイーツ横浜、ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜、ハイアットリージェンシー横浜、インターコンチネンタル横浜Pier 8、この後だとウエスティンホテルやフォーシーズンズホテルの開業を控えています。
音楽ホールだと、ぴあアリーナ、KT Zepp 横浜、Billboard Live YOKOHAMAがオープンし、この後もKアリーナや横浜ユナイテッドアリーナ&横浜武道館、などなど大小様々なイベントホールがオープン予定。
横浜に住む私としては楽しみでならなかったのですが!
と、ここまで書くと、あー、、、ってなりますよね。
そう、竣工と同時に、とっても残念なことにコロナの真っ最中。
音楽ライブも旅行も今はおあずけ。
今は夜の横浜散歩を楽しんでいます。
でも人の少ない静かな横浜港もなかなか素敵です。
この日はハイパームーン。
ハンマーヘッドの上空に満月が輝いていました。
みなさんが安全に過ごせますように。
皆さまこんにちは。アトリエハレトケ長崎です。
緊急事態宣言の延長が確定し、今しばらく忍耐の時が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
先日とても素敵な公園に出会いました。平和の森公園&大森ふるさとの浜辺公園。おそらくご存知の方も多いと思いますが、私の自宅から車で20分のところにこんな素晴らしい水辺のオアシスがあるとは!先週末まで知りませんでした!
こんな感じでまぁ、テニスコートや、弓道場もあるし、相撲場もある。とにかく盛りだくさんの欲張り公園です。が、その全ての空間を老若男女の皆さんはもちろんのことワンコたちまでもが(!)隅々まで使いこなしていて(←コレ大事!)とってもビックリ&とってもハッピーな気持ちになりました。やっぱり公園はこうでなくては!
そしてそして。建築好きにはたまらないご褒美まで用意されています。
なんと、この公園。ヤマトインターナショナルという非常に有名な建築作品に隣接しているのです!
私の学生時代の恩師の1人、原広司先生の代表作にしてアイコンの一つです。
私が大学院の時、原先生は、この建物の完成から10年の時を経て、京都駅ビルの設計を手がけていました。
「未だ見ぬ一枚の絵を描くこと。それこそが君たちに課せられた使命だ。」
これが原先生の口癖でした。
原先生ご自身は、大阪の梅田スカイビルの設計において、二つの高層ビルの頂部をつなぐ夢想を実現することでそのことを達成しました。
その先生の初期の代表作がこちらのヤマトインターナショナルです。
この圧倒的な熱量の名作建築を目の前にして、自分もまた「未だ見ぬ一枚の絵」を描けるのか?そう自問自答しつつ、襟を正して自らの建築と向き合う覚悟を新たにするのでした。
東京の水辺にアクティブな公園や有名建築まで、盛りだくさんな環境がここにはあります。遊び倒すも良し、水辺でのんびりピクニックをするも良し、名作建築を見上げながら思索に耽るも良し。様々な楽しみ方が出来るこの公園に、皆さんも是非一度足を運んでみてください。1日中思いきり楽しむことが出来ますよ!
以上、本日はアトリエハレトケ長崎がお送りしました!
アトリエハレトケ長崎です。
皆さま、いかがお過ごしですか?
東京都の緊急事態宣言は解除されましたが、ワクチン登場まで予断を許さない状況がまだまだ続きそうですね。
この2ヶ月間は「コロナ狂想曲」とも言うべき大騒ぎが、日本国内のみならず、世界中で巻き起こった事でしょう。
この大騒ぎを通じて、私が学んだのは「自分と異なる他人を尊重すること」の大切さでした。
「自粛警察」と言う不穏な言葉が流行しています。
「コロナ自粛」に反する行動に対し、その行動をとった個人や団体を諌める動きのことだと理解しています。
「善意の注意」も行き過ぎては「余計なお世話」になり、度を超えた「他者否定」となり、取り返しのつかない「負の感情」を生み出してしまいます。
かく言う私も、街中でマスクをしていない人を見ては、ギョッとしたり、なぜマスクせずに出歩くのだろう?と思ったり、マスクがないなら出歩かなければ良いのに、と考えたり、自分の心の中にモヤモヤと黒い感情が煙のように湧き上がるのを感じたことが何度もありました。
でも、これは「他人への配慮」を欠いた「価値観の押し付け」に他ならないと思います。
おそらくマスクなしで出歩いていた人々にも、やむを得ない事情があったはず。
どうしてもその状態で出歩かざるを得なかったのかもしれません。
マスクがなくなってしまって探し求めていたのかもしれないし、道の途中で落としてしまって家路を急いでいたのかもしれない。
そもそも情報に疎くてマスクの必要性に気づいていなかっただけかもしれません。
つまるところ「自分の価値観を他人に押し付けてはいけないのだ」と言う当たり前のことに気づきました。
「他人を変えることは出来ない」けれど「自分が変わることはできる」
「自分の正義」と「他人の正義」は違っていて当たり前。
当たり前のことなのに、真面目な人ほど、正義感が強い人ほど、「自分の正義」を他人に押し付け「自分と同じ正義」を他人に求める傾向が強くあります。(お恥ずかしい話ですが、正に私自身がそれでした。そのために長年大切に思って来た友人を失ってしまった経験もあります)
「コロナ狂想曲」のおかげでようやくそんな当たり前のことに気づくことが出来た、なんてお恥ずかしい限りですが、
「他人を尊重する」と言うことは「自分と他人との違いを当たり前のものとして受け止める」と言うことに他ならないのだ、と改めて学びました。
「他人に優しく」あるためにこそ「自分に厳しく」なければならない。
そんなことを考え、もっと成長しなくてはいけないと学んだこの2ヶ月間でした。
金子みすゞは詠みました。
「みんなちがって、みんないい」
皆さんは、どのような事を考えましたか?
アトリエハレトケ長崎でした。
p.s.
最後にお知らせです。
2020年06月01日。
弊社のウェブサイトをリニューアルしてリリースしました。
https://haretoke.co.jp
これまで以上にたくさんの作品と大きな写真をご紹介しております。
ぜひご覧頂ければ幸いです。
皆さまの毎日が穏やかで無事でありますように。
アトリエハレトケ長崎です。
今年もまた卒業制作のシーズンがやって来ました。
建築学科の学生たちは、「卒業論文」とは別に、設計学習の総仕上げとして「卒業制作」を行い、学生生活を修めるのが一般的です。
学部4年間の集大成とあって、学生たちは皆、全身全霊をかけて「卒業制作」に取り組みます。
もの凄い集中力で皆が取り組むので、成果品は質量ともに素晴らしいものが多く、見るものを唸らせるものも。
↑こちらは理科大の卒業制作作品。
陸海空をつなぐ物流センターを東京湾岸につくるという提案で、現代的で実験的なアイディアが盛り込まれた魅力的な提案でした。
↑こちらは電機大の卒業制作作品。
電機大は構造系学生の作品レベルが非常に高い伝統があり、この作品もその一例です。
卒業制作を終えると、学生たちは卒業を迎え、社会へ出て行きますが、中にはさらなる進化を求めて大学院に進むものも居ます。
建築系の大学院では、学部で身につけた知識と技術をさらに深化させて、自らの興味を学術的に掘り下げていくことになります。
そして、修士の2年間を修める際にも、大学院の学生たちは「修士設計」に取り組みます。
↑こちらは理科大の修士設計作品。
修士ともなると、卒業制作からさらに深く踏み込んだ内容で、質がとても高く、2年間で飛躍的に成長しているのが明らかに分かります。
これだけの熱量を「論文」とは別に「作品制作」にも注ぎ込んで修めるという点で、建築は、とてもユニークで魅力的な学問だと思います。
私たち建築家も、卒業制作シーズンの学生たちに負けぬよう、熱い毎日を生きています。
建築家にとっては、言ってみれば、毎日が卒業制作です。
昨日より今日、今日より明日。
より豊かで明るい未来を描くべく、気持ちを引き締めて、一生懸命に生きて行きましょう!
アトリエハレトケ長崎でした。
アトリエハレトケ長崎です。
今回は「建築と植物」の幸せな関係について学んだお話。
私たち田都会のメンバーは、建築家も賛助会も、互いの技術や知見を深めるため、定期的に勉強会を開催しています。
その一環で先日、賛助会の一員「en景観設計」の横浜市は鴨居にあるショールームを訪ねる機会がありました。
鶴見川に面した土手沿いの気持ち良いお店です。
緑があるだけで、入り口はこんな素敵な雰囲気。中に入ると緑溢れる世界が広がりもっと素敵!
↓奥に居るのが、en景観設計の代表、中山大輔さん。グリーンへの熱い想いは誰にも負けない!どこまでも愛情深く「建築と植物」を語る!
真剣に聞き入る田都会の建築家たち。↓左から、臼井・松田・遠藤。中山さんの興味深い「建築と植物」のプレゼンに皆が真剣です。
↓左から、新メンバーの白砂・青木・小嶋。建築が単独で出来る事には限りがあるけれど、緑を効果的に用いる事で、建築も植物も人までもが生き生きと輝き、魅力活力に満ちた世界を生み出せる!と皆、思い思いに想像を膨らませています(多分その筈!!)。
生き物である植物をどのように用いるか。植物も元気になれて、建築も美しくなれて、そこを使う我々人間も生き生きと過ごすことが出来るためのコツを多様な具体例を紐解きながら、中山さんは丁寧にレクチャーして下さいました。
ぜひ、皆様も「en景観設計」を一度訪ねてみては?!
「田都会のブログを見て来た!」とお伝えいただくと、何か良い事があるかも!?
以上、今回は「建築と植物」の幸せな関係について学んだお話を、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。
アトリエハレトケ長崎です。
今回は車のデザインについて。
先日、イギリスのスーパーカーメーカー「マクラーレン」の東京ショールームを訪ねる機会がありました。
最先端のデザインやモノづくりの精神について、建築と車両とで何が同じでどう異なるのか、じっくり考えてみたいと思ったからです。
こんな先鋭的なデザインに革新的な性能を秘めたモンスターマシンを間近に見ることが出来ます。
このショールームの素晴らしいところは、この美しい外観の下に隠れているシャシー(骨組み・構造)が展示されていること。
アルミとカーボンファイバーの複合フレームにエンジンやシートが乗っていることが良く分かります。
細部に至るまで最先端技術の集積なのですが、特に目を引くのは、アルミとカーボンファイバーの接合部。
アルミとカーボンという強度や変形特性が異なる素材同士をどのように接合しているのか、興味津々です。
それぞれの素材特性を活かしたフレーム形状やつくられ方も見逃せません。
様々な課題をクリアして、このような美しいスーパーデザインが実現出来る訳です。
普段目に触れる外観だけではなく、その皮膜の下にどのような構造や性能が隠されているのか。
それをどのように統合し、美しく表現するのか。
車のデザインは、建築と異なるようでいて、実は多くの共通点を持ったとても魅力的な世界です。
優れた建築のデザインは、建築の世界だけを見ていては、決して生み出すことが出来ません。
私たち人間の社会的営みへの愛情あふれる眼差しや好奇心を常に忘れないことが大切だと私は信じています。
素材を知り、技術を学び、それらを統合する職人たちをリスペクトしながらデザインの新しい価値を引き出したい。
そんな思いを新たに、前向きな気持ちでショールームを後にしました。
以上、今回は最先端の車のデザインについて、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。
アトリエハレトケの長崎です。
11月は賛助会の日東製陶所(磁器質タイル)とTLCアソシエイツ(湿式煉瓦)の工場見学ツアーを行いました。
とても刺激的な見学会で、勉強になりましたが、かなりディープな企業秘密満載のため、なかなか写真でお見せすることが出来ません。
その代わりと言ってはなんですが、とても美しい伽藍を訪ねてきましたので、そちらの写真をご紹介致しますね!
こちら、多治見市の虎渓山「永保寺」です。
アプローチから見えるこちらの重厚な屋根。期待感が高鳴ります。
こちらが本堂です。
実はこちらにはとても有名な二つの国宝があります。
まずはこちら。国宝・観音堂です。
屋根の反り(テリとも言いますね)が急で先端ではピン!と逆勾配にまでなっています。
別な角度から見るとまた違った姿に。紅葉が見事でした。
美しい池に架かった木橋を渡ってアクセス出来ます。
それからもう一つ。
こちらが国宝・開山堂です。
こちらも屋根の反りが見事ですね。
今から700年近く前にこのような素晴らしい木造建築と庭園が生み出された事実に想いを馳せると、建築文化を深化させるものはやはり時代のニーズなんだなぁ、と感慨深く思います。
翻って、現代を生きる私達は、日進月歩の目まぐるしく変化の早い時代にあって、どんな建築を生み出していくことが出来るのでしょうか。
そしてそれらは未来の子供達からどのような目で見られるのでしょうか。
色々と想像をして見ると楽しいですね。
良い建築を丁寧につくっていきたい。
そのために良いクライアントと二人三脚で歩んでいきたい。
そんなことを思う秋の夜長でした。
アトリエハレトケの長崎でした。
アトリエハレトケ長崎です。
先日、大学院時代の同級生が結婚しました。
結婚式が執り行われたのは、世界的に有名なこちらの教会。
都内文京区にあるカトリック関口教会でした。
こちらの教会は丹下健三の設計で、前回の東京オリンピックの年に完成しました。
1964年ですから、今から54年前ですね。
半世紀以上もの間この地にあって、人々の活動を見守ってきたわけです。
この教会の一番の特徴はその形状で、空から見ると十字架の形をしています。
神様と人々のどちらに対しても開かれていて、両者を取り結ぶ建築と言う訳です。
屋外は金属の仕上げでキラキラと空模様を鈍く写し込む姿が美しい佇まいです。
中に入ると荒々しいコンクリート打ち放しのHPシェル形状が迫力ある神々しさを表現しています。
(内部は式の最中しか撮影できなかったため写真はお見せできずスミマセン。)
それにしても美しい立ち姿。中もとっても素敵です。
未体験の方は是非一度足を運ばれてみて下さい。
半世紀を経てもなお、人々に愛され、我々と共に生きる建築。
そんな時を超える力を持った建築を追い求めて、いつかこの手で生み出したい。
それが建築家としての私の夢です。
アトリエハレトケ長崎でした。
アトリエハレトケ長崎です。
すっかり秋ですね。
南軽井沢の現場もこんな感じに秋真っ盛り。
こちらの現場は、あとひと月でお引き渡しを控えて、現場作業も佳境に突入しています。
当然、建築家である私たちの設計監理作業も大わらわ。
そんな中でも最後まで活躍するのが、模型です。
こちらは、建物前面に設置予定のウッドデッキテラスの形状を検討しているところです。
手を加えては観察を繰り返して「これだ!」という着地点を探っています。
合わせて、前面道路側の表情も模型で最終検討します。
同じ模型を覗き込むと、アプローチに差し込む自然光と影の様子を確認することも出来ます。
こんな風に模型を撮影して写真で光の入り方などを確認することも重要な検討作業の一つです。
模型というのは、プロジェクトの最初から最後まで、常に私たちの手元にありながら、常に変わり続けることで、建築家の創造性を刺激し続けてくれる最高のツールです。
こちらの写真はモノクロームですが、これが実際にどんな風に完成するのか。
一ヶ月先をぜひ楽しみにお待ちください。
アトリエハレトケ長崎でした。
田都会の建築家、アトリエハレトケ長崎です。
六本木ミッドタウンの横に安藤忠雄さんが設計された小さなギャラリーがあるのをご存知ですか?
21-21デザインサイトと言います。そこで今月いっぱい「そこまでやるか」展が開催中です。
http://www.2121designsight.jp/program/grand_projects/
とても分かりやすく、親しみやすい、でもよく考えると途方も無い。
そんなプロジェクトの数々が展示されています。
中には体験型のアートもあり、アーティスト集団「ヌーメン/フォー・ユース」の作品はとても驚きに満ちた楽しさでいっぱい!
この洞窟。空中にプカプカと浮かんでいます。
なんと、これ、テープで出来ているんです。
全長21㎞を超えるテープをひたすら張り巡らせることでこんな美しい洞窟が完成します。
外から見てもとても美しいけれど、中も素晴らしく、しかも実際に入って歩き回ることができます。
意外にも空いているので、ぜひ、皆さん、体験型アートの楽しさを味わって見てください。
あなたは何を感じますか?
ながさきたつや/アトリエハレトケ
アトリエハレトケの長崎です。
本日から7月の始まり。今年も半分が過ぎてしまいました。時の流れるのは本当に早いですね。
さて6月は、慌ただしい隙間をぬって、久しぶりにブルーノート東京で極上のジャズオーケストラを堪能してきました。
マリア・シュナイダー・オーケストラ。現代ジャズオーケストラの世界最高峰のひとつです。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/maria-schneider/
彼女は、ギル・エヴァンス、ボブ・ブルックマイヤーという二人の天才を師匠に持ち、磨きを掛けた作曲・編曲の技術に、独自の物語性豊かな世界観を加え、従来のビッグバンドの楽器編成の枠に捕らわれない斬新なオーケストラ編成で、素晴らしい音楽世界を描き出す現代の天才・努力の人です。
彼女の驚くべき楽曲の数々は、彼女自身のウェブサイトからも視聴したり、購入したりできますので、是非みなさまも聴いてみてください。
http://www.mariaschneider.com/
現代最高峰のミュージシャンたちが紡ぎ出す、これまでに地球上に存在しなかった(と言っても決して過言ではない!)驚くべき美しさのハーモニーの数々に触れて、その豊かな芸術性を楽しみながら、今年の夏を楽しく過ごしていきましょう!
営業日・営業時間
10:00~17:00
定休日 毎週水曜日
年末年始 休業(HPでご案内いたします)
お問合せ先
TEL: 045-482-6140 FAX: 045-482-6141
e-mail info@denen-arch.com
〒225-0002
神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-3 第7松美ビル201
[Google Maps で開く]
※ 現在、新型コロナウィルスなどの感染症対策のため、同時にご入場いただくグループを制限させていただいております。
右の下の予約フォームからご予約いただくか、お電話でご来場日時をご一報いただいてからのご来場となる旨、ご了承ください。
ご来店のご希望日時を指定してお送りいただけます。
受信後田都会からメールを返信いたしますので、それをもってご来場予約の確定とさせていただきます。
当日などお急ぎの場合はお電話でご連絡ください。
TEL: 045-482-6140